ステファノと家族

今日はトビリシから日帰りでゴリとウプリスツィへ行ってきた。
ゴリはスターリンが生まれ育った町であり、世界で唯一スターリン像が残る町。
ただそれだけでグルジアの見所の町のひとつにあげられている。
スターリンが生まれた生家も母親の記憶を元に復元されており、更にそれを神殿風の建物で覆った奇妙な一品。
グルジア人にとって、今でもスターリンは偉大なのだそう。

ゴリからバスで20分、ウプリスツィには岩肌をくりぬいて作られた住居跡が残っており、紀元前1世紀から、モンゴル軍に滅ぼされる13世紀まで人々の生活が続けられていたのだそう。
こんなところまで馬に揺られてやってきたモンゴル人に感心する。

ウプリスツィからゴリへ戻り、トビリシに帰ろうと思ったけれど、まずゴリへ向かうバス停の場所がわからず、ヒッチハイクを試みると一発目で成功。
拾ってくれたのは、ウプリスツィに住む両親が作ったウォッカを取りに来ていたゴリに住む中年男性のステファノ。
英語をあまり知らないステファノとは、ゴリに着くまでの約20分間、ジュードー、カラテ、ジャッキーチェン、トーキョーなどの単語で何とか会話。
ゴリに着き、礼を言って車を降りようとしたら、うちでウォトカを飲んでからトビリシへ帰れ、とステファノの家へ連行される。
その独特なノリや風貌からなんとなく独身だろうと思っていたら、なんと二児の父。19歳のカルロと17歳のディアナ。
上着を脱いだステファノはボーダー柄のロングスリーブシャツをサラリと着こなすナイスなミドル。
お昼時ということもあり昼食までお呼ばれして、見るからに仲の良さそうな家族と一緒にテーブルを囲み、冗談なんかを言い合いながらとてもあたたかなひと時。
いきなりの外国人の来訪に、はじめは怪訝そうな顔をしていた元教師だったステファノの奥さんも時間が経つにつれて次から次へと話しかけてくるまでに。
(ステファノ以外の3人は英語を話す事ができるけど、英語を話せないステファノは事ある毎に突然"TOSHIBA"と叫ぶ)

一方、ウォッカはかなりの度数。
それをあたかも水を飲むようにグビグビと喉を鳴らしながら飲むステファノ。
自分も飲めぬウォッカをグラスに注がれるまま2杯、3杯、4杯、、、と。しかもチェイサーはビール。
見るに見かねた奥さんが止めに入るほど。
トビリシの大学に通い、毎週土日になるとゴリに帰ってくるというカルロと一緒にバスでトビリシに戻ってきた。
トビリシに着き、今付き合っている彼女の所へ行くと言うカルロとは別れる。2、3年後には結婚するのだという。


グルジアを出る前にこのような家族と出会う事ができ、感謝。
でも、ウォッカを飲み過ぎてすっかり酔った。
きっと明日も頭が痛いな。