グルジア軍道、そしてカズべキ

"グルジア軍道"
トビリシからカフカス山脈を越え、ロシア連邦北オセチア共和国まで通じる街道。
グルジア軍道からの景色が見たくてわざわざ遠出。
見渡す限り雪に覆われた山、山、山、山、山、山、山、そして川。
雪の中からひょっこり突き出た、小さな木々もかわいらしい。
もし夏だったら、グルジア軍道を挟む山々の緑も相当美しかろうに。

"カズべキ"
グルジア軍道上、キルギス側最後の町。ここで一泊。この先はロシア領内。
町に住む人の数より牛の方が多いのではないかと思えるほどの無数の牛が壁となって通路をふさいでいる。
通路の上を埋め尽くす牛のフンを避けて歩くことは決して不可能。

"山頂の教会"
カズべキの中心地から徒歩1時間半、山の頂上にあるツミンダ・サメバ教会へ。
ただ、山道には50センチくらい雪が積もっていた為、道がわからず、山頂の教会一点を見つめひたすら登っていたらいつの間にか超急斜面を枯れ草を掴みながらよじ登っていた。
振り返る(見下ろす)と相当恐ろしく、これを登ることこそまさに苦行。
雪や濡れた草に足を滑らせでもしたら、あの教会よりも高いところに昇ってしまうかもしれない。
かといって、山を下りることもできず、そこまでしてあの教会に行きたいのかと自問自答するのも一瞬で、あとは死にものぐるいで登りきる。
こんな辺鄙なところにあるだけに、ツミンダ・サメバ教会は今までに見たどの教会よりも重々しい。
教会の人たちも歓迎してくれて、ローソクの制作風景を見せてくれたり、お茶や旧ソ連内で食べられている"バトン"というチョコバーをご馳走してくれたり。(バトン:板チョコの中にトロリとしたチョコレートが入っている)
そして、帰り道。山を下ろうにも登る時よりも恐かった。