マチュピチュ(その2)

マチュピチュは絶対に行っておきたい遺跡のひとつだった。
けれども"いざマチュピチュへ"という段になるとそんなに意欲がわかないでいた。
(実際、一番行きたい世界遺産、トルコのネムルトダーにはトルコ入国8回を誇るのに一度として行く素振りすらみせていない)
せっかくペルーに来たのだから、せっかくペルーに来たのだから、せっかくペルーに来たのだから、と気持ちを奮い立たせてなんとかマチュピチュへやってきた。


ワイナピチュから眺める朝一番のマチュピチュを見逃すまいと朝の3時過ぎに宿を出る。
明かりひとつない山道をヘッドライト片手に空一面を埋める美しい、本当に美しい星々を見上げながら遺跡のある山頂を目指す。
途中、休憩を挟んだものの4時半に遺跡入場口に到着。遺跡の開場時間は6時。思っていたよりも早く着いちゃった。
遺跡の職員用の部屋で休ませてもらい、6時の開場と同時にマチュピチュの遺跡を素通りしてダッシュでワイナピチュを目指す。
マチュピチュ遺跡内の一番東にワイナピチュの入場口はある。
ワイナピチュとはマチュピチュと続きになっている山でマチュピチュよりもさらにさらに高く、中国の水墨画に出てきそうな断崖絶壁、急勾配の山。小さく狭く急な階段が頂上まで続いる。その頂上にワイナピチュ遺跡はあり、そこからマチュピチュの全景を眺めることができる。
当時の人々が作ったどこまでも続く岩の階段を上へ上へと登っていると、インカの神である太陽まで届きそうな気がした。