ペヨーテ

メキシコシティからマテワラへ。タクシーに乗り換え約一時間のレアル・デ・カトルセに午前6時到着。
レアル・デ・カトルセは18世紀頃から、銀の採掘で栄え最盛期には4万人もの人がいたらしいけれど、その後の銀の枯渇により鉱山は閉じられ、そして山賊に襲われ、一時はゴーストタウンと化し、現在は約1,500人の人々が暮らすのんびりとした町。
町には当時の建物が廃虚のまま、そこらじゅうに残っている。
レアル・デ・カトルセから500キロのところにウィチョル族という先住民族が暮らす村があり、レアル・デ・カトルセの近辺にはウィチョル族の聖地が二カ所ある。

そのウィチョル族が神聖視する小粒のサボテン、ペヨーテを採取する為、レアル・デ・カトルセからジープで1時間半、ウィチョル族の聖地でもあるウィリクタ(砂漠地帯)へ。
ペヨーテは細くてひざ下くらいの背の低い木の生え根のあたりに隠れておりなかなか見つけられない。
最初に見つけた物は採取せず、ロウソクの火を灯し自分の身体を浄化してから健康などを願うのだという。
サボテンに願いを込めるということを今まで経験した事がないのでいまひとつピンとこないけれど、探し始めてたったの10分で見つかった。
その全貌を確認しようと、カボチャのヘタのような部分以外砂の下に隠れているペヨーテのまわりを掘り返していたら、このペヨーテ、意外と柔らかく爪の先がほんの少し触れただけで傷がついてしまう。
その傷がいつか自分の身にふりかかってこぬよう強く、強く健康を願った。