ハラシマ、ナカサキ

外国で現地の人と話す機会があると、どこの国から来たの?と最初に聞かれる。
日本だと答えると相手の表情は笑顔になり、グッドグッド、と握手をしてくる。
中国人だと答えるとその瞬間、どつかれるのではないかと感じることもしばしば。
出てくる言葉は「SONY」「PANASONIC」「TOSHIBA」。
「SUZUKI」だと自己紹介すれば「おれの名前はYMAMAHA、こいつはTOYOTA、あいつがHONDA」と返ってくる。
(SUZUKIは世界中どこの国でもみんなが知っているので名前をすぐに覚えてくれる)
そして、日本について知ってる事をとりあえず並べてくる。
日本のイメージは「車」「電化製品」「腹切り」「神風」「ヨーコ オノ」。
ただ、車や電化製品なんかよりもまず「ハラシマ、ナカサキー!」と言ってくる人がアジアやアフリカ、東欧、コーカサス中南米など大陸を問わずとにかく多かった。
「Osaka」や「Kyoto」を知らなくても、「Tokyo」がすぐに出てこなくても、「Hiroshima」や「Nagasaki」という地名はすぐに出てくる。
原爆による驚異が広く世界中で認識されるている事をまざまざと感じさせられた。
(ちなみに「ハラシマ」「ナカサキ」の後に続く言葉は「ヒロヒト」または「イロイト」だった)

第二次大戦で大多数の国を敵にまわした日本に対し、このように好意を持って接するのは、世界で唯一の被爆国であり、その後、驚異的な復興を遂げたからに他ならないだろう。
(ロシアに勝ったとかアメリカとやりやったっていうのも多少あるのかもしれないけど)
実際、西欧の人にそんな話をすると、日本に原爆が落ちてなかったら多分うちの国の人も日本の事を嫌いだったと思うよ、と日本贔屓の男性が話していた。