ソマリア沖(その1)

昨年末から日本のニュースでしょっちゅう出てくるソマリア沖はアラビア半島アフリカの角とを結ぶ重要な海の道。ラクダもこの海を渡り、アラビア半島からアフリカ大陸にやってきた。(だからかソマリランドの港町ベルベラにはそこらじゅうで飼いラクダや野良ラクダがのそのそ歩いている。)
旅行中、この海路を船を使ってアフリカ大陸のジブチからアラビア半島のイエメンまで行こうと考えていた。といってもこんなところに豪華客船などが就航しているわけもなく羊や山羊を積んだ貨物船に便乗させてもらうもの。値段は交渉なので大体だけどイエメン発が30ドルほど、ジブチ発が50ドルほど。オフィスがあるわけでもなく船員と直接交渉することになる。食事付きで貨物の一部である羊や山羊をその場で屠殺し焼いて食べる。客室なんてもちろんない。所要時間は30時間程。しかしこの海、世界三大海賊出没地域。その上、結構な割合で勝手に沈没するらしい。
ジブチもイエメンも入国にはビザが必要でビザの申請には日本大使館で発行されたレター(日本国民であるという証明書)の添付が必要となる。エチオピアで両国のビザを取ろうと思っていたので両国分のレターをエチオピアにある日本大使館に取りに行くと、アンバサダーに「君、船で渡る気じゃないだろうね?」と瞬時に見破られる。しかし、当然飛行機ですよ。と返すと「この海は危ない。絶対飛行機で行ってね」と。すかさず「はい」と答えると、ちゃんと勧告はしたからね、といわんばかりに書面にサインをさせられた。